むし歯の治療
ドクターより
松山市南梅本町にある歯医者『宮崎デンタルオフィス』では、むし歯治療は、できる限り痛みに配慮し、可能な限り再治療にならない精密な治療を行っています。
歯は、治療できる回数がある程度決まっています。1本の歯に対し「5回」治療を行えば抜歯になるという有名な論文のデータがあります。このことからも、歯を長持ちさせるためには、「なるべく削らない」「神経をとならい」「再治療にならない」ようにする事です。
また、治療後は定期的にメインテナンスを行うことで、少しでも長持ちするようにしていきます。
虫歯について
治療のために歯を削る必要が生じますが、歯を残すための処置である一方で、歯の寿命を短くします。治療しないままにするよりは歯の寿命を守ることはできますが、残っている天然の歯の量が歯の寿命に直結しているといえます。
そのため、再治療を繰り返すことは少しずつ抜歯に近づいているといえます。また、歯を削った後に、レジン、セラミック、金属で削った部分を補う必要がありますが、歯科材料が人工物である以上、劣化は避けられません。また、自分の歯と人工物である詰め物や被せ物との界面が存在しますので、その分、虫歯のリスクは高まります。
これらのことからも、可能な限り削らない、神経を取らない、長持ちする、再治療になりにくい治療を行うことが大切になります。
むし歯になる仕組み
歯の健康は、酸が歯を溶かしていく「脱灰」と、溶けた分を元に戻し歯を守る「再石灰化」がバランスよく取れていることが大切です。何らかの原因によって歯を溶かす「脱灰」が「再石灰化」よりも強くなると、歯の表面からカルシウムが溶け出すことでむし歯が始まります。
「脱灰」と「再石灰化」のバランスが崩れる例として、飲食により糖分を取り入れると口内が酸性に変化します。間食が多かったり糖分を多くとるなど、酸性でいる時間が長くなるほど、虫歯になりやすい状態が長時間続き、「脱灰」が「再石化」に勝る=むし歯が進むということです。
特に、寝ている間は唾液がほぼ出ないため、寝る前の間食で酸性のままだと、再石灰化が行われず虫歯になるリスクも高くなります。
むし歯の進行・むし歯の治療
むし歯は、症状や段階によって治療方法が異なります。むし歯はC0~C4といった段階であらわされ、Cとは英語のカリエスの略で、虫歯のことを指します。数字が大きくなるほど、虫歯が進行していることを表します。
C0(初期のむし歯)
自覚症状はほとんどありません。この段階では出来るだけ削ったりせず、丁寧な歯磨きやフッ素で再石灰化を進めることで、むし歯の進行を食い止めるたり、治すこともできます。
C1(エナメル質のむし歯)
黒い着色や白い斑点で始まりますが、自分で発見するのは難しいです。治療法として、むし歯を削りレジンなどの修復材を詰めたり、進行防止処置をしたりします。
C2(象牙質のむし歯)
C1の段階でエナメル質内にとどまっていた虫歯が、象牙質にまで進行してしまいます。冷たいものが歯に染みるなど、自覚症状が出てきます。治療としては、むし歯部分をしっかりと削り、詰め物もしくは被せものをして歯を保護します。
C3(神経に達したむし歯)
むし歯が神経の近くまで進むと、冷たいものや熱いものが染みるようになります。やがて神経が圧迫されてズキズキ痛むこともあります。放置すると顎の骨まで病気になってしまうこともあります。 治療は、歯の神経を取り除く根管治療が必要な場合があります。 それが終わってから、クラウンを歯に装着させるのが一般的です。
C4(根の部分しか残っていないむし歯)
神経は死んでしまい、歯の根元に膿が溜まってしまいます。また、ボロボロになった歯根だけが残ります。この段階になると治療も難しくなり、歯を失う場合もあります。 治療は、元の歯を残さず抜歯します。その後、歯の神経をきれいに掃除してから、インプラント、ブリッジ、入れ歯などの治療に移行します。